山崎豊子著「沈まぬ太陽」

motoyuki2006-12-16

山崎豊子著「沈まぬ太陽新潮文庫全5巻読了。日本航空JAL)を舞台にした内幕小説であるが、10月より読み続けてようやく読了する。
①労組委員長が受けた不条理な内情 ②半官半民会社経営の腐敗 ③単独航空機としての最悪事故(御巣鷹山事故)④激しく対立する労組などをからめてなかなかに読ませる。
時の政治家多数が利権がらみでで登場(仮名)するが、本名はすぐ分かりその悪どさは成るほどと想像できる。 
3割程度脚色あったとしてもほぼ真実であろう。今も低迷する日本航空を見ると「国の翼」だと安心して乗るのも怖い気がする。家にはこの時期、老妻あて来年の豪華JALカレンダーとSF券が送られてくるが本の中でもこれらが登場するので何か変な気もする。
まあ、この小説は半官半民の頃の話である。完全民営化の今はこんな事ないと思うが。

画像:山崎豊子著「沈まぬ太陽